水今novels

ちびブログです

1月14日(木)

たとえば、かつて阿佐ケ谷にあった喫茶店に赴くのはいつだって夜だった。
店仕事が終わった後か、休日、吉祥寺を散策した後か。都内で用を済ませた帰り道か。
電車の中で本のページを繰っている時もある。車両のガラス越しに見える夜の町並みをぼんやり眺める時もある。吉祥寺ハーモニカ横丁で一杯きこしめてほろ酔いのこともある。
どんな時も、自分のステイトメントの一切合切が、その店で過ごす全ての時間をシュークリームのシューのように粉砂糖をまぶされた衣で優しく包みこんでいたのだった。
帰宅して、眠りに落ちるまでの間、ずっと。

午前中、宅配のチャイムで目覚める。
ドイツ在住の知人のご母堂から、デメルのお菓子が届く。配送状に記されていた番号に電話して、お礼と四方山話をする。ドイツのコロナ状況や、今も週に3回渋谷に働きに行っていることなど、寝ぼけ眼で20分くらい通話した。
二日酔いで頭にもやがかかっている。フレンチローストのコーヒーを淹れて飲む。皿を洗う。他には何をしてたっけ……? 遅すぎる年賀状をしたためていたこと以外、よく思い出せない。じつに曖昧模糊とした1日だった。