朝から小雨がしとしと降り続き、ぐずぐずした曇り日、月曜日、午後。
街は天下市2日めだったが、通りを行き交う人々の足取りはどちらかといえば重たげ、所在なさげ、傘なさげに見えた。それは多少2日酔いであり、多少「寝ぼすけ」であり、「名曲喫茶」という場に対して他生の縁を感じている私も例外ではなかった。
本来、月曜日は私の営む小さな名曲喫茶は現在お休みを頂いているのですが、今日は午後3時からテナントビルの灯り消し去り、店内の蝋燭を点けてひっそり営業していました。
月草Twitter(このブログをPCで見ると表示されます)を見て、わざわざ駆けつけてくださった、物好き(失礼!)な名曲喫茶、暗闇、静寂好きのお客様方々、このブログは読んでいらっしゃらないかと思いますが、縁(えにし)感じ、感謝述べさせてください。まことありがとうございます。さすがに今日は誰も来ないだろ。と決めつけていたので嬉しさひとしおでありました。
帰りがけ、或るお客さんいわく。「臨時休業じゃなく、『臨時営業』っていうところが前向きでいいなあと思ってつい来ちゃいました」そう言って頂き、冥利に尽きます。ならば、これからも時々「臨時営業」しなきゃ。強く思いました。
そして、まだどなたもいらっしゃらない時間に現れ(平日に開いていたからびっくりして……と仰っていた)、たいへん興味深いお話を与えてくれたTさんに感謝。今後ともどうぞよろしくお願いします。
フレッシュな「かぼす浸け蜂蜜」を持ってきてくれたIくんに感謝。これからも舐めます。
閉店15分前に駆けつけてくれたN君に感謝。これからも、何時でもいらしてくれることが理屈抜きに嬉しいです。
昨日、ダニエル・バレンボイムとジャクリーヌ・ドュ・プレ奏でるエルガーの圧倒的に素晴らしい盤(写真)を置いていってくれたAOさんに感謝。これからもひたすら聴きます。
そんなバレンボイムを厭い、若くして夭折されたドュ・プレに強きシンパシーを抱く、古き良きクラシックの幽霊たちと共鳴する力を御持ちのHさんに感謝。これからもご教示ください。
本日はろくすっぽ告知せず、テナントビル内電灯をすっかり消しっぱにしていたので、当店を知らぬお客様はきっと店の前をすいすいと横切っていたことだろう。だけど、個人的に、おかげさまで、心やすい1日でした。暗闇と静寂とクラシックと皆様のおかげで本来性をずいぶん取り戻せたように思います。
そうして明日は名曲喫茶4日め、文化の日。私の全名曲喫茶的勢力を「面舵いっぱい」にしつつ、俗世を静かに迎え撃ちながら空中に名曲喫茶をぽっかり浮かび上がらせる所存にあります。ぐっない。