水今novels

ちびブログです

ああ、やだ!

あの人の光 その眩さ あの人の熱 その赤み 目の前のあなたの不規則な呼吸さえ 信じることができないままに こうして己は消えてゆくのか ねじくれた恐怖心とともに… ああ、やだ!やだ! 泣きもせず 愛も抱かず 夢も見ず 漆黒の天井をただ見つめている この瞳…

君は漁師

行為の結果に執着するな 死は必定である 生は必定である 世は現象である 君は相当ハード・ボイルドな魂である 君の服を目にした人はすぐに了解する 大きな魚しか見ていないから小さな魚には目もくれないその心を でも守銭奴心じゃない むしろ逆 守銭奴は大き…

春雨

明りを消した浴室で風呂に浸かっていた よく知っている かの女がドアを開けた こんなこともありかも 電光パネルの光が姿態を青黒く染めていた 肩までの黒い髪は内側に向かってぴょんと跳ねていた ぼくは両膝を抱えた 水面がちゃぴん……音を立てた 「もう上が…

ツイスト

向かいあって 赤ワインを酌み交わしている時 ふたつの瞳の中で鮮やかに発火した こいつらは この老舗カフェの天井の片隅で出会った 無邪気に 嬉しそうに 絡み合っている ふたつの瞳は 遅れを取るまいと 互いの在りかを探し回るが 後手に回った 見上げると 気…

そういう話はわたしが帰ってからしてもらえますか 両手で顔を覆った君は白いソックスを履いた両足をぴんと伸ばす 僕はどうにか苦笑した 彼女は押し黙っている 鋭利なナイフのような一語を漏らさず 勇気をふるって 自分の右足をおそるおそる君の爪先にくっつ…

月祖伯

だめだ これじゃ初日から遅刻 1番線の列車をやり過ごして 薄汚れた階段駆け上って 細かな穴が空いてるプラスチックの窓越しに尋ねた 「青梅高校は何行き乗ったらいんですか」 長方形の眼鏡をかけた中年の駅員さん 「どこの」つっけんどんに言う「高校青梅に…

シューベルト ピアノ・ソナタ第20番(アンドレア・ルケシーニ)

「1番好きなピアノ曲は何ですか?」と、訊かれて即答できるような人は、これまであまり音楽を聴いてこなかったか、(何らかの理由で)長年その曲に偏執的に入れ込んできた人かのどちらかだろうと思う。上記のような究極的な質問に、僕は絶対に答えられない…

ラム・コーヒーの妙味

思うところあって、数年ばかり蒸留酒を断っていたのだが(断酒していたわけではなく、醸造酒をたっぷり呑んでいた)、昨日からふと寝しなにホット・ラム(ダークラムのお湯割り)を飲んでみたら、このところの睡眠障害にてきめんに効いた。なので、これから…

1月14日(木)

毎日、コーヒーを淹れて自室で飲んでいると、「行って、帰ってくる」という時間も、店内で喫茶する時間に含まれていたのだな、と改めて気づく。その場所を目指して歩くこと。空気を吸いこむこと。季節を感じること。余韻を抱えて帰ってくること。そうした時…

1月13日(水)

久し振りに、時間があれば小説を読みたいモードに入っている。長年、本棚に並んだままになっていた丸谷才一『樹影譚』を取り出し、読んだ。丸谷才一の作品を初めて読んだのだけど、これは唸るほど面白かった。村上春樹が『若い読者のための短編小説案内』で…

困難な更新

毎日、ここに何時起床だの、何を食べただの記していても仕方ない気が強くしている。執筆中、非公開の日記代わりに使っているうちに、何のためにこのブログを再開したのか見失ってしまっていたように思う。自分の(ほぼ)変わりのない日常をつらつらと記して…

1月11日(月)

午前10時起床。例によって、不完全睡眠感にみちみちている。濃いコーヒーを淹れ、昨日のおでんの残りとともに頂く(おでんとコーヒーは案外よく合います)。今日は(今日も)個人的に、特筆すべきことはない。もちろん「世の中」にはたっぷりとあるが、今は…

1月10日(日)迎春気分、lately

昨日ひと為事終えたことで、遅まきながら、本日ようやく新年を迎えたような気分。あけましておめでとうございます。 この9日間、(このブログ以外)珍しくネットにほとんど触れていない。音楽も聴けてないし、ゲームもやってないし、本も読んでいない。キー…

1月9日(土)

午前6時頃起床。それからほとんど眠れていない。夢に津野米咲さんが現れた。最近、「赤い公園」ばかり聴いていたからだろう。彼女はギターを弾いていなかった。自由な魂のように、ふらふらと通りを歩いていた。 どうしようもなく頭が働かないが、入浴し、紅…

1月8日(金)

午前9時起床。しかし、またしても眠れた感が希薄。通勤しているわけでもないのに「甘えるな」と言われそうだが、今年はまともな睡眠を1日しか摂れていない気がする。ある種の睡眠障害かもしれない。 シャワーを浴び、熱い濃いコーヒーを飲み、ミックスナッ…

1月7日(木)

明け方、半分眠りながら、自分はこれまでの人生、幼少期から現在(中年期)に至るまで、あまりにも救いようのないバカだったのではないか?というありがちな悔恨に襲われる。過去を時系列で振り返ってみると、目を覆い、耳を塞ぎたくなることばかりである。…

1月6日(水)

昨日も全然全く寝つけず。どうやら不眠症は癖になるらしい。おまけに寝酒に呑んだ熱燗(青森の知人にもらった田酒)がきわめてまずい方向に作用してしまった。不調がいかんともしがたく、朝6時に台所でゆっくりと常温のビールを飲む。それから1時間後、よ…

1月5日(火)

驚くべきことに、昨日もうまく寝つけなかった。どうやら不眠症は癖になるようだ。 しかし、布団に入っている時間自体はけっこう長い。まんじりともせず……という、もっとも芳しくない睡眠形態である。 午前10時すぎに無理矢理起床したように思う。野菜ジュー…

1月4日(月)

昨日は寝不足だったはずなのだが、ビールの飲みすぎか、ネットのやりすぎかわからないが、うまく寝つけず、午前8時頃まで、浅い眠りと漠たる夢の間を行きつ戻りつしていた。 結局、午後1時に床から這い出る。あまり眠った感じはしない。 母の焼いてくれた…

1月3日(日)

昨日は酒を抜いたせいか、やはりよく眠れず。夢もかなりナイトメアめいた感じ。午前8時半起床。眠れないのでやむなく床から這い出たという感じ。 起き抜けにお歳暮でもらった蜜柑を食べるが(それほど蜜柑が好きなわけではないのだが、ビタミンC補給と思い…

1月2日(土)

夜中に激しい頭痛で目覚める。明け方までほとんど眠れない。おそらく、昨日きこしめした安い白ワインが主な原因であろう。もう安ワインは飲むまい……。でも、久方ぶりの激しい頭痛がいくつかの気づき、覚醒を与えてくれたような気もする。 その気づき(のよう…

1月1日(金)

新年。午前11時起床。ミカン2つとバナナと納豆を食べて風呂に入る。入浴しながらJ.Pヤコブセンの詩集『ここに薔薇ありせば』を読む。 ここに薔薇ありせば 他五篇 (岩波文庫) 作者:J.P. ヤコブセン 発売日: 1953/07/25 メディア: 文庫 どうして『ここに薔薇…

無名の詩人が詩集を刊行する意義

このたび、『名曲喫茶月草』の閉店日に併せて、僕、堀内愛月は詩集『月草夜想詩集』を刊行いたしました。このことは、8年前に名曲喫茶を開けた時と同じく、自分が「成さねば」と思えた大きな挑戦です(大袈裟に聞こえるかもしれませんが…)。僕がこの『月草…

『月草夜想詩集』発売まであと6日

こんにちは。『名曲喫茶月草』の愛月(いつき)です。東京都・国立市で名曲喫茶を営みながら詩や小説をしたためています。私ごとですが、このたび、初めての詩集『月草夜想詩集』(文庫本サイズ120ページ・本体価格900円)が発売となります。発売は12月12日…

詩集に帯は必要か?

ここ数日、拙詩集(12月中旬発売予定)の帯に入れる文言を考えていた。 上記画像の帯文言は、詩集製作序盤に、茨木のり子(1926-2006)の詩集から、【仮】で入れてもらったもの。 静かに激しく紡ぐ 七年ぶりの最新詩集。 それにしても、これは読んでみたい気…

『月草夜想詩集』発売まであと35日

午前7時半起床。ここ数ヶ月は、朝6時にベッドに入って昼過ぎに目覚める「完全夜型」な生活が続いていた。しかし拙詩集『月草夜想詩集』の発売まであと1ヶ月あまりだし、このあたりで生活時間をまともにしなければ……思い立ち、昨日は午前2時頃に無理矢理…

詩集発売のお知らせ

突然ですが、詩集を作っています。「なんで、喫茶店の店主が詩集を?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。もっともです。なので、どうして詩集を作ることになったのか?今日はその経緯について少し書かせてください。 僕が詩集を作る理由 昨年(2…

デカフェなのにおいしいコーヒー見つけた

当方コーヒー党だが、デカフェ(カフェインレス)コーヒーに昔から強い拒否反応がある。色々試してみても、どれもおいしいとは言い難かったから。その「おいしくなさ」はわりと似通っており、こう言ってしまうとアレだけど、「泥水」を喚起させるものがかな…

誰にもわかりはしない

「惜しい人を亡くした」という物言いは嫌いだ。惜しいだの惜しくないだの言うのは、生者のまったき自分勝手である。いなくなった人は、惜しまれようと惜しまれまいと、どうだって良いだろう(たぶん)。だけど、「音楽」というフィールドにおいて、自分の魂…

stand.fmのこと

週1度、流行りのネットラジオ的音声配信メディア『Stand.fm』をやっている。喋ることは大の苦手な自分だが、聴いてくださるありがたい方々がいらっしゃることを励みに、これまでどうにか5回配信することができた。 stand.fm 今日は「週イチ配信」という自…