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水と今

かくして君は待つ、ある人が現れるのを。君の命をとめどなく膨らませにやって来るのを。(リルケ)

三鷹でクラリネット3重奏/眉つきアヒルボート

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木曜日のこと。幼少期にお世話になった、母(ヒロコさん)の友人夫婦である南椌椌さんとせつ子さんに誘って頂き、『三鷹芸術センター』という音楽ホールを訪れた。

この日はかつてウィーン・フィルに在籍していたペーター・シュミードル氏(クラリネット)をフューチャーした企画コンサートで、チェロ奏者の金木博幸氏、ピアニストの佐々木秋子さんとの3重奏がメイン。

ルドルフ大公「チェロとピアノのための三重奏曲」は詩情と叙情たっぷり。ウェーバーのグランド・デュオ・コンチェルタンテは金木氏のエモーショナルなチェロに心を揺さぶられた。重厚かつロマンチックなブラームス「クラリネット三重奏」の後、アンコールは再びクラリネット3重奏曲。これがじつに良かった。3人の間に流れていた微かな緊張がほどけ、寄り添うような調和を奏でていた。佐々木さんの艶やか、かつどっしりとした伴奏もチェロとクラリネットを優しく支えていた。

終演直後、「イツキ、最後の曲、何だっけ?」と隣の椌椌さんに訊かれ、「えーっと、モーツァルト(のケーゲルシュタット・トリオ)……じゃない?」などと知ったかぶって答えてしまった私は名曲喫茶店主失格である。正しくはベートーヴェン「Op.11《街の歌》」。12月の小雨によく映える素敵な曲です。

The Art of the Clarinet

The Art of the Clarinet

  • Madoka Inui, ペーター・シュミードル, Pierre Pichler & Teodora Miteva
  • クラシック
  • ¥900

それから、椌椌さんとせつ子さんとヒロコ母と三鷹ハーモニカ横丁に赴いた。さらに南さんが呼んだ、VIC手塚さん(この方にも幼少期からお世話になっている)も加わって、いかにもハーモニカ横丁らしい、書き割りっぽいお鮨屋さんの、明るくぴかぴかとしたカウンターであれこれ喋りながらボジョレー・ヌーヴォーと美味しい日本酒をたっぷり呑み交わした(ナマモノが食べられないのでお鮨には口をつけなかったけど、香草フライドポテトと鮭のハラス焼きをたくさん頂いた)。

その時並んでいた4人の大人たちに比べたら年齢的にも人生経験的にも僕は未だ幼児、いや、赤ん坊同然なのだが、ジェネレーション・ギャップ(のようなもの)はまるで感じなかった。きっと幼少の頃から、ヒロコ母の友人の大人方にはたっぷり優しく、フェアに接して頂いたから。そして、その優しさとフェアネスはこうして久方ぶりにお会いしても、焼き立て甘栗の袋に残った熱のようにしっかと残っている。 そういうわけで、すこぶる愉しい1日でした。素敵で小粋で優しい大人たちに感謝。 

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同日、井の頭公園の池の中を工事し清掃するため、おなじみのスワン(もとい、アヒル)・ボートが公園の端に引き上げられていたようす。そのスワン・ボートの中に1匹だけ「眉毛」があるのがいるらしく、通りがかりのおじさんがヒロコ母に「ほら、あれだよ。」と示しているところ。近くに寄ってみましょう。

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眉があるのが確認できました。ちょっと「いかめしい」というか、他のアヒルに比べて確固とした意思が感じられます。僕は高校もこのあたりだったし、井の頭公園のボート乗り場は今でもしょっちゅう通っているのですが、この眉毛アヒルのことは知らなかった。有名なのでしょうか? カップルがこのアヒルを狙っていたりするのでしょうか? 乗れば「永遠に結ばれる」というような伝説が流れているとか……ともあれ、いつか機会があったら(たとえ1人でも)乗ってみたいものです。