水と今

かくして君は待つ、ある人が現れるのを。君の命をとめどなく膨らませにやって来るのを。(リルケ)

冷たい川べりを思いながら

こんにちは。外気が春らしい波動を帯びながらも芯まで冷えるような寒さが続く今日この頃ですが、如何お過ごしでしょうか。 私はといえばここ数日、机に向かってやるべきことが多々あり、自室にほとんどこもりっぱなしになっているからか、ここに記すことがろ…

五嶋みどり生演奏(N響)について頂いたコメントへの返信

先程、以下の記事について頂いたコメント(rokuさん)の返事コメントを遅ればせながらせっせと記していたのですが、勢い余っていささか長くなりすぎ、コメント欄をはみ出してしまいそうなので(笑)、迷った末、そのまま本日の記事にさせて頂きます。ことを…

曇り空、ゆえにモーツァルト日和

おはようございます。ここ数日、子牛ともに、もとい、公私(公と私の区別はよくわからないが……)ともに忙しく、先刻3日ぶりにこのブログを開いてみたら、昨年記した五嶋みどりさんのショスタコーヴィチ演奏の感想記事にコメントを頂いていました。 初めてコ…

おやすみ in The LIMBO

今日も更新のための更新をしないといけない。俺は未だ中間地点に居るようだ。 今日は何曜日か? 水曜日か……とは言え、今日が何曜日かはたいした問題じゃねえ。 大切なことは「ここ」にいること。ここにいて、金輪際をしっかと意識していること。それだけだ。…

春の嵐後、犬牙狼藉

この5日間の記憶が無い。 比喩的な意味ではなくて、本当にろくすっぽないんである。 たしかに5日のうち2日は我が名曲喫茶に従事していたし、仕事の後、友人と移転したばかりの蕎麦屋さん(蕎麦粉9割)で御酒をきこしめしたり、揚げたての天ぷらを仲良く…

あの空こそは……

「何にも出来ない証拠です……」 小林秀雄は「おふえりや遺文」で書いていた(正確には小林秀雄の描いたオフィーリアが書いていた)。 今日も外気は骨の髄まで不敵にしみ込んでくるような冷たさで、足湯してても、うどん(舞茸と春菊入り)すすって御酒を呑ん…

熱き恋コーヒーによってもたらされる覚醒と安寧の火曜日の朝

今朝は「猫とコーヒー」という、いかにも幸せ感と安寧感に溢れた写真とお題でお送りさせて頂きます。 しかしながら、今の私の心中と気分は、それほど穏やかってわけでもない。どちらかと言えばとがりつつもウツウツとしています。猫とコーヒーにどうにかこう…

今日の所感・ベケット短編集と嵐が丘

以下、例によって、100%私事ですが。 明日/明後日と名曲喫茶仕事に従事します。西東京多摩地区は国立市というちっぽけな街の「富士見通り」という、狭い通りのレンガ造りのビル2Fにある『名曲喫茶 月草』という店で。ついでに言えば、来週木曜日も開けます…

起き抜けのビールとシューベルトとスヌーピー

おはよう。 今日は朝7時からビールの栓を開け、シューベルトを聴きながらこれを記しています。ちなみに僕は自他ともに認める酒好きですが、日が出ているうちから酒を呑むことは年に数回、まして朝から呑み出すことはほとんどありません。つまり、今日は相当…

丑とキノピオ/田酒/ブッシュとゼルキン

今、名曲喫茶店主らしく、押し入れの中でスノッブな微笑混じりの表情を浮かべつつ(今日、無意識状態における数秒のしかめっ面を母に指摘され、いささかロウバイしている私です)、ベートーヴェン『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ(Op.96)』アドルフ・…

1月が終わって2月が始まる君へ(きわめて後ろ向きな前方確認)

おはよう。じゃない、おやすみかな。こちらはもうすぐ午前零時になろうとしています。先月は「10日間の……」などとのたまっておきながら、月末2日間の喫茶仕事に従事しているうちに(忙しい2日間だった)、すでに暦が変わってた。やれやれだ。やーいやーい…

限りなく1月めいた10日間の不思議(6)「私を構成した9枚(後編)」

前々回の記事に記した「私を構成した10枚(前編)」ですが、私を構成した(であろう)アルバムを1枚1枚思い返しながらそれぞれにコメント文をつけるという無謀な作業に思っていたよりもどっと疲れてしまったので、後半は「コメントなし」にしちまえ、とい…

限りなく1月めいた10日間の不思議(5)「柔らかい土の上の死について」

近所をジョギングする時のコースはたいてい決まっている。思えば20代の頃からその道のりを走ったり、歩いたり、たまには自転車に乗ったりしてきたわけだが、途中(ちょうど中継地点のあたり)、僕の行動範囲ではもっとも広大な面積の空き地が開け、もっとも…

限りなく1月めいた10日間の不思議(4)「私を構成した9枚(前編)」

#私を構成する(アルバム)9枚 というハッシュタグ(お題)が、Twitter内で流行っている(いた)ようです。 私も多くの人たちの9枚を拝見して「なるほど」「ふむふむ」「わかるわかる……」などと楽しんだ後、「自分の場合はどうだろう?」と、遠い記憶に思…

限りなく1月めいた10日間の不思議(3)「押し入れブックレビュー」

たった今気付いたのだが、先日何も考えずに「1月めいた10日間の不思議」などという安易なタイトルをつけてしまっていたが、今はすでにして1/24のお昼なので、今月中に10日ぶんの日記をつけることは不可能なのか…… と、思ったが、たしか1月は31日まであった…

限りなく1月めいた10日間の不思議(2)「日大芸術学部のこと」

今日は日本大学芸術学部(以下、日芸)という大学校について書きます。 なぜ日芸? と問われると、答えるのに100字ばかりかかるのですが。 《理由》僕が営んでいる小さな名曲喫茶に、昨今よくいらしてくださる素敵な親子連れさんがおりまして。その娘さんで…

限りなく1月めいた10日間の不思議(1)「夜の名曲喫茶」

昨晩、私が営んでいる小さな名曲喫茶『月草』で、開店4年めにして初の深夜営業「Tsuki-kusa 〜night interlude」というのをやりました。 当店、普段は昼に開店して19:00にはシャッターを下ろすのですが、この日は《20時開店〜翌1時閉店》という「夜更かし…

毎晩酒を呑むオレが二日酔いにならない秘訣教えたる

あけましておめっとさん。さっそくだが、こないだな、オレの質問サイトask.fmhttps://ask.fm/lmflowersに以下のような質問を頂いた。 酒は人類の友! しかしついつい仲良くしすぎて(飲み過ぎて)しまい、 翌日、どんより後悔!してしまいガチで悩んでいます…

限りなく12月めいた10日間の不思議(10日め)

おはようございます。とうに新年に突入しておりますが、「あけおめことよろ」はもう少し先に取っておきます。現在は《2016年1月4日》の晩。しかしながら、ようやく今になって、2015年という年に居た自分の、そして自分から見た、かなり限定された此の世の…

2015年のマイベスト・ムービー10本(もとい5本)

当ブログの連続日誌、8日目から9日めにかけて5日間も空いちまいましたが、年内も残るところあと2日なので、別テーマでいきます。 本日はほぼ毎年恒例となっている、「2015年のマイベスト・ムービー10本」!……と、ぶちあげたいところですが、今年は様々な…

限りなく12月めいた10日間の不思議(9日め)

年末のこの時期に、つらつら個人的なことを書き連ねた投稿をここにアップすることにもいささか気が引けてきたが、乗りかけた舟、というか、あと2日で2015年もお終いであるからして、10日めまでやっちまおうと思います。 12/28(火)今日は(今日も)という…

限りなく12月めいた10日間の不思議(7日/8日め)

クリスマスは両日ともにかなり「あったか」でした。こんなに色とりどりのダウンジャケットを見かけなかったクリスマスは珍しかったように思います。 私はといえば、かなり薄着で、隣町の映画館で『I LOVE スヌーピー』という、CGのスヌーピーやチャーリーブ…

限りなく12月めいた10日間の不思議(6日め)

今日は祝日なので、早起きして名曲喫茶を開けていました。ワルター・ギーゼキングという老練ピアニストが遺したモーツァルト「ピアノ・ソナタ全集」。林檎飴のような色したレコードをかたっぱしから出し、針を落としていた。モーツァルトのピアノ・ソナタし…

限りなく12月めいた10日間の不思議(5日め)

昨日目論んでいた通り、今日の夕方は久しぶりに近所を走った。走る前は10キロは走りたいな、と意気込んでいたのだが、それはまったき甘ちゃんだったようだ。ナイキのランアプリで計測してみたところ、私はたった5.84Kmしか走れなかった。しかし、それは予想…

限りなく12月めいた10日間の不思議(4日め)

これ(写真)は何ですか? はい、隣町の食堂で頂いたおでん(大根/蒟蒻/竹輪)と冷酒(烈)にあります。午前8時に起きてから、夕方にこの美味しい夕食に辿り着くまでには、それなりの経過があった。 ふだん、月曜日は僕にとっての休日的曜日である。しかし…

限りなく12月めいた10日間の不思議(3日め)

今日は年末に向かっての《名曲喫茶 vs 生演奏》第2弾(戦っているわけではないですが)『クラリネット・デュオ・ミニコンサート』が催されました。催された、というといささか大袈裟ですが、とにかく1時間、当店で奏でられたのです。これから本格的に音楽…

限りなく12月めいた10日間の不思議(2日め)

じつのところ、今日はけっこう疲れている。このストローク浅いキーボードをぱたぱたぱたぱた……叩くのもままならない。それというのも、昨日、ほとんど眠れなかったから。 どうして眠れなかったのか? それというのも、どうやら、自宅で淹れて飲んだ泥水のよ…

限りなく12月めいた10日間の不思議(1日め)

というタイトルで、今年最後の日記(みたいの)を記すことにします。 なにしろもうすぐ2015年も終わるので、何かしら年末っぽいことをしたいと思いまして。しかしながら私の場合、この日記(みたいの)を記してここに公開することくらいしかできることなさそ…

三鷹でクラリネット3重奏/眉つきアヒルボート

木曜日のこと。幼少期にお世話になった、母(ヒロコさん)の友人夫婦である南椌椌さんとせつ子さんに誘って頂き、『三鷹芸術センター』という音楽ホールを訪れた。 この日はかつてウィーン・フィルに在籍していたペーター・シュミードル氏(クラリネット)を…

大好きなパン屋さん『木のひげ』(多摩センター)に行ってきました

じつは最近、すごーく!嬉しいことありまして。 私、10年ほど前、『木のひげ』という天然酵母パン屋さんのパンと運命的な出会いを果たしてからというももの、あ、興奮して、打ち間違えちゃった。 果たしてからというものの、ずーっと、ここのパンを愛し、が…

アドルフ・ブッシュという名の暖かい泥(まごころを君に)

というタイトルだけど、今日はアドルフ・ブッシュ(という名のドイツ生まれのヴァイオリニスト)のことは多くは書かない。たぶんここ数日の、自分の日常(的雑感)について1200字ばかり記すだろう。ということは、記す前からだいたいわかるものだ。 でも、こ…

アドルフ・ブッシュという名の暖かい泥(序)

先週購入し、現在12枚めまで聴いたのだが(まだシューマンのソナタとバッハ『ブランデルブルク組曲』(小編成ver)が残っている)、喜びと懐かしさ冷めやらぬまま、フライングで「さわり」だけ記しておきます。 これはアドルフ・ブッシュのスーパー・ベスト…

熱海道中記〜エピローグ(7年後の雑感)

この4日間、続けて再載した7年前の「熱海道中記」を久方ぶりに読み返してみて。当時は思いつき、あるいは行き当たりばったり、あるいは自分内ギャグっぽい心持ちで熱海くんだりまで足を伸ばしたように思っていたのだが、改めて振り返ると、あの1泊旅行は…

熱海道中記(再載)其の四

〈Re:〉 元気してますか? 東京は今、どんな気候ですか? 君の心もようはいかがですか? ぼくは「熱海サンビーチ」っていう、ばっちり整備された海岸近くの「すかいらーく熱海店」でわりに酔っ払いながらこのメールを売っています(ほら、打ちまちがえた!)…

熱海道中記(再載)其の三

再びやってきたのは熱海駅前ドトール。 チーズトーストを注文。ドトールのチーズトーストはこれまでに何枚食べたかわからないくらい食べている。ラクト・ベジタリアン(寄り)のぼくにとってはじつにありがたメニュー。何の変哲もない、チーズを載せて焼いた…

熱海道中記(再載)其の二

どうにか5時間8000円という、有り難くて涙が出る休憩を与えてくださった(皮肉です、言うまでもなく)旅館「M」にて。 「M」は熱海にある旅館では、かなり老舗のようだ。置かれている調度品や家具を見れば、働いている人たちと言葉を交わせば、ナチュラル…

熱海道中記(再載)其の一

先週末、1人きりで熱海に赴いた。 仕事の後、急に「ここではないどこか」に行きたい(でもどこに行きたいのかはわからない)激しい衝動に駆られ、午前5時に中央線に飛び乗った。 そうして、座ってうたた寝してるうちに終点・東京駅に着いていた。早いもの…

熱海にいったい……(熱海道中記再載・プロローグ)

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/11/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 先日、散歩がてらにM書店の店先を覗いてみると、村上春樹の新刊紀行本『ラオスにい…

ルドルフ・ゼルキンのシューベルトは何だって懐かしい。何故なら……

さて、今日は何を記せばいいのか? 何を記せるだろう?(心の声) 今、気分はブラジルの湿原地帯に迷い込んだドジョウの如くずぶずぶに落ち込んでいる。実を言うとこの3日間、ずっとだ。理由は、ないけど、ある。あるけど、ない。それというのも、どんな気…

アレクシス・ワイセンベルクのドビュッシー

今日は午前10時頃より名曲喫茶を開ける支度をしながら、思うところあって、ドビュッシー「ベルガマスク組曲」を聴いていた。ピアノはアレクシス・ワイセンベルク。このアルバムは僕にとってかなり、けっこう特別だ。相当回数聴いているだけではなく、何より…

『foodmood』のアースケーキにうってつけの日

こんなタイトルにしてみたものの、本当はとくに「うってつけ」というわけでもありませんでした。先日から、体調不良で臥せってばかりいたもので……やっぱり、おいしいケーキは身体が元気な時に頂くのが嬉しいですものね。 だけど今日は灰色のぶ厚い雲の下、自…

冬の到来によりアイム・コールド

夜分に失礼します。ここ数日、なんだかすっかり寒くなりましたね。 寒いからというわけでもないのですが、現在、著者は未だ体調不良続き。大好きな木のひげ「林檎のプチパイ」も今日は泣く泣くお預け(猫が私の代わりに食べてくれるそうです)。でも大丈夫、…

今後、「写真なし」の記事が増えるきっかけになる(かもしれない)日

こんばんは。 ぶしつけですが、普段、iPhoneやデジカメで何となしに撮った写真を選び、冒頭に貼ってからこのブログをしたためる(あるいはしたためてから写真を貼る)ことが多いのですが、正直言って、それほど写真を貼ることに積極的なわけではありません。…

風邪と花粉症のマッシヴ・アタック(つらかった)

こんにちは。お元気ですか? 私はあまり元気ではありませんでした。この2日間、風邪と秋の花粉症が合体したリンパ炎症的症状に襲われておりまして、けっこう、いや、正直に言うと、とっても辛かったのです(そんなの知ったことか、とは君まで言うな)。 と…

夕方について(続き)

ついこないだ、4連休で忙しなく働いていたと思ったら、もう週末の朝がやって来ました。タイム・フライズ。あと30分もしたら、焼き立てのトーストくわえたまま、名曲喫茶に出かけなければ……。 それはさておき、昨晩記したはずのブログをたった今、読み返して…

夕方について

夕方、空が薄紫色に暮れなずむ頃が好きです。「そりゃ、まあ、みんな好きでしょうよ……」苦笑されそう。そうかもしれない。でも、それでも、やっぱり「私は、」って宣言したい。私は夕方のこと、もっと知りたい。いつでも夕方のそばにいたい。 たとえば夜明け…

吉祥寺にある『4ひきのねこ』という名前の花屋

1番好きな花屋は?と問われたら、迷わずにここ『4ひきのねこ』を挙げます。 今日は母の誕生日の花束を作ってもらいにやって来た。 今も昔も、草花についてろくすっぽ知らない僕だが、初めて緊張しながら1人この店を訪れた時(たぶん90年代)、こちらの渋…

お祭りの最終日。名曲喫茶にて

開店前に掃除を終えて、iPhoneで撮りました。この時、店内も、店外も、夏の夢に現れるプールサイドのように、しーーーーーん。静まり返っていました。 それから数時間、この店が名曲喫茶らしからぬ、「怒濤の」すし詰め状態になろうとは、私は予期だにしてい…

名曲喫茶連勤3/4日め(暗闇とジャクリーヌ・ドュ・プレの夕べ)

朝から小雨がしとしと降り続き、ぐずぐずした曇り日、月曜日、午後。 街は天下市2日めだったが、通りを行き交う人々の足取りはどちらかといえば重たげ、所在なさげ、傘なさげに見えた。それは多少2日酔いであり、多少「寝ぼすけ」であり、「名曲喫茶」とい…

「天下市」という名の…

御祭りでありました。縁(えにし)感じつつ、飲み(呑み)、食い歩き、練り歩く。それが「冥利に尽きる」1日。その冥利はきっと、谷保天満宮(という名の神社)に直接に結びついていて、数多の喜びはそこで滑らかに回収されていくことでしょう。 さて、それ…